2008年3月24日月曜日

手仕舞い相場の本質は・・・

イースター休暇前の持ち高調整を主体とする相場展開となり、
「主要マーケットの動き」が示す通りドル安の受け皿として騰勢を強めてきた
金・原油など国際商品が大幅続落、ドル実効為替相場とS&P500種株価指数が続伸している。

そして、為替マーケットは昨日のコメントで述べたように米ドルが全面的に買い戻されるなかで、
非ドル通貨の下落がクロスベースでの円高圧力を高める格好となり、
NY中盤には日本円が全面高となる場面もみられた。

今回の国際商品市場を起点に始まった手仕舞い相場について、
19日にイニシャル・マージン(維持証拠金)引き上げの噂がロングウィークエンド前の
持ち高調整を促す格好になったとみられていた。

今回の手仕舞い相場が連休前にみられる通常の動きであれば、
米景気後退や信用収縮をテーマとするトレードの再開を警戒する必要がある。

足元では、相反する2つの動きがみられており、現段階では明確な結論を導くことはできない。

その1つの動きは、米住宅金融市場のテコ入れ策が相次いで打ち出されており、
米住宅市場の一段の収縮が緩和されるとの期待感が生じていることである。
これにより、市場の金利観を反映するFFレート先物市場では、
1.75%で利下げが打ち止めされるとの見方がコンセンサスとなりつつあり、
過度な利下げ観測が後退している。

これに対して米債券市場では、キャッシュに近い3ヶ月物財務省短期証券(T-bill)への
資金シフトが顕著となり、T-billの利回りは1954年以来の低水準に落ち込むなど、
“質への逃避”がみられている。

米金融会社CITグループが短期金融市場での資金調達ができなくなり、
緊急の信用枠であるバックアップラインを利用したことが、
カウンターパーティ・リスク(=デフォルトリスク)を連想させたわけだ。
「ベアー・スターンズ・ショック」の傷が癒えていないことの証左であり、
一連の手仕舞いはロングウィークエンド中の不測の事態に備えた
レバレッジの解消と解釈するもできよう。

米大手証券メリルリンチによる「世界のファンドマネジャー調査・3月」によれば、
資産配分担当者のキャッシュポジションが調査開始以来の
最高を更新していることが明らかになっている。

リスク資産への投資について、警戒姿勢を一段と強めているというであり、
足元のドル安小休止・株価反発はトレンドの転換ではなく、
一時的な動きと捉えておく必要があるかもしれない。

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